「防災グッズを揃えたいけど、何から準備すればいいか分からない」「リストを見ても量が多すぎてどれが本当に必要なのか判断できない」という悩みを持つ方は少なくありません。
この記事では、防災グッズを「持ち歩き用」「持ち出し用」「備蓄用」の3段階に分けたリストで紹介します。段階ごとに優先度を整理しているため、何を先に揃えるべきかが一目で分かります。

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0次の備え:常に持ち歩くもの(ポーチ1つ分)
外出先で災害に遭った場合、自宅の防災リュックは使えません。通勤カバンやバッグに入る小さなポーチに、最低限のアイテムを入れて持ち歩く習慣をつけましょう。
0次リスト
モバイルバッテリー(5,000〜10,000mAh)はスマートフォンでの安否確認や情報収集に不可欠です。充電ケーブルも忘れずにセットにしておきます。
小銭(10円玉と100円玉を中心に1,000円分程度)は、公衆電話や自動販売機で使う場面に備えます。災害時はキャッシュレス決済が使えなくなる可能性が高いため、現金は心強い存在です。
ホイッスルは、がれきの下に閉じ込められた際に救助を求めるための命綱になります。キーホルダー型なら普段から持ち歩いても邪魔になりません。
その他に、常備薬、飴やチョコレート(低血糖防止)、絆創膏、除菌シート、身分証明書のコピーを加えれば、ポーチひとつで0次の備えは完成です。
0次の備えはポーチ1つに収まるサイズが理想です。重さの目安は300〜500g程度。カバンを変えるたびに入れ替えるのが面倒な場合は、ポーチごと移動させましょう。
1次の備え:非常持ち出し用リュックの中身
災害発生から避難所に到着し、支援物資が届くまでの1〜2日間を乗り切るためのアイテムです。背負って走れる重さ(成人女性で5kg、成人男性で8kg程度)に抑えることが大切です。
水と食料
飲料水は500mlペットボトルを3〜4本(1.5〜2リットル)が目安です。重量を考えるとこのくらいが持ち出せる限界となります。非常食は、そのまま食べられるタイプ(缶詰パン、ようかん、ビスケット等)を1日分用意します。軽くてカロリーが高いものを優先的に選びましょう。
照明と通信
LEDの懐中電灯またはヘッドライトは必須です。ヘッドライトは両手が空くため、避難時に荷物を持ちながらでも足元を照らせます。予備の乾電池も忘れずに入れておきましょう。携帯ラジオは、スマートフォンの電池を温存しつつ情報を得るために有効です。
衛生用品
携帯トイレは最低5回分を用意します。避難所のトイレが使えないケースは過去の災害でも頻繁に報告されています。除菌シート、マスク、ティッシュペーパー、生理用品(女性の場合)もリストに加えましょう。
その他の重要アイテム
救急セット(絆創膏、消毒液、包帯、常備薬)、軍手(耐切創タイプが望ましい)、レインコート、エマージェンシーシート、貴重品のコピー(保険証、免許証、通帳番号メモ)を入れておきます。

2次の備え:自宅備蓄リスト
在宅避難を前提とした備蓄品のリストです。ライフラインが止まった状態で最低3日間、できれば1週間を自力で過ごせる量を確保します。
水の備蓄
農林水産省は1人1日3リットルの飲料水を推奨しています。このうち飲み水として2リットル、調理用として1リットルが目安です。4人家族で1週間分なら84リットル(2リットルペットボトル42本)が必要になる計算です。全量を一度に揃えるのが難しい場合は、まず3日分から始めて徐々に増やしていきましょう。長期保存水(5年〜10年保存可能)とローリングストックの通常ミネラルウォーターを組み合わせると管理が楽になります。給水タンク(折りたたみ式10リットルタイプ)も1つ準備しておくと、給水車が来た時に効率よく水を運べます。
食料の備蓄
主食(アルファ米、レトルトご飯、パスタ)、おかず(缶詰、レトルトカレー)、汁物(フリーズドライの味噌汁やスープ)を組み合わせます。ローリングストック方式で普段の食事に組み込みながら消費・補充するのがベストです。カセットコンロとガスボンベ(1人あたり1週間で6本程度が目安)も備蓄品に含めます。
生活用品
簡易トイレ(家族の人数×1日5〜7回×日数分)は最も重要な備蓄品のひとつです。過去の大規模災害では、断水でトイレが使えず体調を崩す方が多く報告されています。ラップは食器に敷いて洗い物を減らす使い方ができ、怪我の応急処置にも活用できます。ゴミ袋(45リットル以上の大きめのもの)は雨除けや簡易的な防寒具にもなるため、10枚以上用意しておきましょう。新聞紙は保温材や緩衝材として万能に使えます。紙皿・紙コップ、ウェットティッシュ(大判タイプ)も忘れずに準備します。
電源の確保
ポータブル電源やソーラーチャージャーがあると、長期の停電でもスマートフォンの充電や小型家電の使用が可能です。容量300Wh程度のポータブル電源であればスマートフォンを20回以上充電でき、価格帯は3万円〜5万円程度です。予算に余裕がない場合は、乾電池式の充電器と予備電池の大量備蓄でも十分対応できます。手回し充電式のラジオライトも電源確保の手段として有効です。
カセットボンベの備蓄は直射日光を避け、40度以下の涼しい場所で保管してください。高温になると爆発の危険があります。また、使用推奨期限(製造から約7年)も定期的に確認しましょう。
見落としがちだけど重要なアイテムリスト
防災グッズのリストには、つい忘れてしまうけれど実際に被災した方が「あってよかった」と感じるものがいくつかあります。過去の災害での経験談をもとに、以下のアイテムもチェックしてみてください。
衛生・健康関連
メガネの予備は、災害時に落としたり壊れたりするリスクが高く、古いメガネでもリュックに入れておくと安心です。夜間の地震で枕元にメガネがなければ、避難路の確認すらままなりません。コンタクトレンズユーザーは使い捨てレンズの予備も備えましょう。お薬手帳のコピーも、かかりつけ医以外の医療機関で受診する際に役立ちます。持病のある方は処方薬を最低1週間分ストックし、薬の名前と用量をメモに書いて防災リュックに入れておくことを強くおすすめします。
書類・貴重品のバックアップ
健康保険証、運転免許証、マイナンバーカード、通帳の口座番号などのコピーを防水袋に入れて保管します。スマートフォンのクラウドストレージにも写真データとして保存しておくと、紛失時のバックアップになります。避難先で各種手続きや保険の申請をする際に、身分証明書のコピーがあるだけでスムーズさが大きく変わります。
季節に合わせた備え
夏場は冷却シート、虫除けスプレー、塩飴や経口補水液パウダー、制汗シートなどの暑さ対策グッズを追加します。避難所にエアコンがない場合も想定して、携帯扇風機や冷感タオルもあると心強いです。冬場はカイロ(貼るタイプを10枚以上)、厚手のアルミシート、防寒インナー、ネックウォーマーなどを入れ替えて準備しておくと、季節を問わず対応できます。季節の変わり目に中身を入れ替える習慣をつけるとよいでしょう。
心のケアアイテム
災害時は精神的なストレスが非常に大きくなります。好きなお菓子、トランプなどの簡単なゲーム、子どもがいる場合はお気に入りのおもちゃや絵本を1冊入れておくと、避難生活の中で心の安定につながります。耳栓やアイマスクも、避難所での睡眠確保に役立ちます。

家族構成別のプラスアルファアイテム
赤ちゃんがいる家庭
液体ミルク、使い捨て哺乳瓶、おむつ(1週間分として50〜70枚)、おしりふき、着替え、抱っこひも、母子手帳コピーを追加します。液体ミルクは開封してそのまま飲ませることができるため、お湯が使えない状況でも安心です。
高齢者がいる家庭
常備薬の予備(最低1週間分)、入れ歯ケース・洗浄剤、老眼鏡の予備、杖、紙おむつ(必要な場合)、お薬手帳のコピーを準備します。高齢者用の柔らかい非常食(おかゆやゼリータイプの栄養補助食品など)も併せて備えておくと安心です。避難時に自力で素早く動けない可能性もあるため、ヘルプカードや緊急連絡先を記載したタグを身につけておく工夫も大切です。
ペットがいる家庭
ペットフード(最低5日分)、水、ペットシーツ、リードとハーネス、キャリーバッグ、常備薬、ペットの写真と特徴を書いたメモ、ワクチン接種証明書のコピーを追加します。避難所によってはペットの受け入れが制限される場合もあるため、事前に最寄りの避難所のペット受け入れ可否を自治体に確認しておくことが大切です。ペット用の持ち出し袋も別途用意しておくと、避難時に慌てずに済みます。
よくある質問(Q&A)
Q. リストが多すぎて全部揃えられない場合は?
まず0次の備え(ポーチ1つ分)から始めて、次に1次(持ち出しリュック)、最後に2次(備蓄)の順で少しずつ揃えていけば大丈夫です。1回で全部揃える必要はなく、月に1〜2アイテムずつ追加していく方法もあります。
Q. 防災リュックは家族全員分必要?
基本的には1人1つが理想です。ただし、小さな子どもは自分でリュックを背負えないため、保護者のリュックに子ども用アイテムを入れる形になります。家族構成に合わせて、中身の配分を工夫しましょう。
Q. 備蓄品の賞味期限管理が面倒です
ローリングストック方式を取り入れれば、特別な管理は不要です。普段の買い物で非常食にもなる食品(レトルト食品、缶詰など)を少し多めに買い、古いものから消費して新しいものを補充するだけです。半年に1回、防災の日や3月の震災の月に合わせてチェックすると忘れにくくなります。
Q. 防災グッズの総額を抑えるコツは?
100円ショップを活用すれば、ホイッスル、軍手、LEDライト、簡易トイレ、レインコートなど多くのアイテムが低コストで揃います。セット商品はまとめ買い割引があることも多いため、家族分を一度に購入するとお得です。防災の日(9月1日)前後のセールを狙うのも賢い方法です。ただし、モバイルバッテリーや懐中電灯などの電子機器は、信頼できるメーカー品を選んだほうが安全面で安心です。

防災グッズは「持っているだけ」では意味がありません。定期的にリストを見直し、中身が使える状態かを確認することで、はじめて備えとして機能します。この記事のリストをベースに、自分の家族構成や住環境に合わせてカスタマイズしてみてください。

