災害はいつ起こるかわかりません。大人だけの備えではなく、子供に合った防災グッズをきちんと用意しておくことが、いざという時に家族全員の安心につながります。
しかし、子供の防災グッズといっても、年齢によって必要なものはまったく違います。乳幼児にはミルクやおむつが必要ですし、小学生なら自分で持てるリュックを用意しておきたいところです。大人用のセットをそのまま子供に渡しても、重すぎて持てなかったり、サイズが合わなかったりと実用的ではありません。
この記事では、乳幼児・幼児・小学生・中学生の4つの年齢区分に分けて、それぞれに必要な防災グッズを詳しく解説します。子供の成長に合わせた備え方がわかれば、今日から具体的に準備を進められるはずです。
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子供の防災グッズを準備する前に知っておきたい基本
子供用と大人用で分けるべき理由
防災グッズは「家族全員分をまとめて1つのバッグに入れておく」という方も多いですが、これにはリスクがあります。避難時にそのバッグを持ち出せなかった場合、全員分の備えが一気に失われてしまうからです。大人用と子供用を分散させることで、どちらか一方だけでも持ち出せれば最低限の備えが確保できます。
また、子供の体格に合わない重い荷物を持たせると、避難時に転倒したり、途中で疲れて動けなくなったりする可能性があります。子供が自分で持てる重さ・サイズの防災バッグを用意してあげることが、安全な避難につながります。
子供用防災グッズの重さの目安
子供に持たせる防災リュックの重さは、体重の10~15%が目安とされています。体重20kgの子供なら2~3kg程度です。これを超えると長時間の避難で体力を消耗しやすくなるため、本当に必要なものだけを厳選して入れるようにしましょう。
未就学児の場合は荷物を持たせること自体が難しいため、保護者が子供の分も含めて準備しておく必要があります。小学生以上であれば、軽いものから少しずつ自分の防災リュックを持つ練習をさせると、防災意識の教育にもつながります。

【0~2歳】乳幼児に必要な防災グッズ
ミルク・離乳食関連の備え
乳幼児期の防災グッズでもっとも重要なのが、食料の確保です。母乳育児の場合でも、ストレスや環境の変化で母乳が出にくくなることがあるため、液体ミルクを最低3日分ストックしておくことを強くおすすめします。液体ミルクは常温で保存でき、そのまま飲ませられるため、水やお湯が使えない災害時には非常に頼りになります。
離乳食期の赤ちゃんがいる場合は、月齢に合ったベビーフードも備蓄しておきましょう。レトルトパウチタイプなら常温保存が可能で、賞味期限も長めです。哺乳瓶は洗えない状況を想定して、使い捨てタイプの哺乳瓶や紙コップ授乳の方法を覚えておくと安心です。
おむつ・衛生用品
おむつは1日あたり8~10枚が目安です。3日分となると24~30枚必要になりますが、圧縮袋を使えばかなりコンパクトに収納できます。おしりふきは大判タイプを選ぶと、体を拭いたり汚れを落としたりと多用途に使えて便利です。
汚れたおむつを入れるための防臭袋も必ずセットで用意しておきましょう。避難所では匂いがトラブルの原因になりやすいため、BOS(ボス)などの防臭機能が高い専用袋がおすすめです。ビニール袋では匂いが漏れてしまうことがあります。
抱っこひも・おんぶひも
避難時はベビーカーが使えないことが大半です。がれきや段差で押せない状況が想定されるため、抱っこひもやおんぶひもは防災バッグのそばに必ず置いておきましょう。両手が空くおんぶスタイルのほうが、荷物も持ちやすく安全に避難できます。普段使っている抱っこひもとは別に、コンパクトに折りたためるタイプをもう1つ備えておくと、取り出しやすくて便利です。
・液体ミルク(3日分)
・使い捨て哺乳瓶
・月齢に合ったベビーフード
・おむつ(24~30枚)
・おしりふき(大判タイプ)
・防臭袋
・抱っこひも/おんぶひも
・着替え(2~3セット)
・母子手帳・保険証のコピー
・お気に入りのおもちゃや絵本
【3~5歳】幼児に必要な防災グッズ
自分で食べられる非常食を選ぶ
幼児期になると離乳食は卒業していますが、大人と同じ非常食がそのまま食べられるとは限りません。硬いビスケットや塩分の強いものは避け、やわらかいパンの缶詰やゼリー飲料、小分けのお菓子など、子供が自分で食べやすいものを選びましょう。
避難所では子供の食事に神経を使うことが多いので、普段食べ慣れているものをストックしておくのがベストです。見慣れない食べ物を嫌がる子も多いため、好きなお菓子を少し多めに入れておくと、精神的な安定にもつながります。アレルギーがある場合は、アレルゲンを明記したメモを防災バッグに入れておくことも忘れずに。
トイレ対策を忘れずに
おむつが外れたばかりの子供は、環境の変化でトイレを失敗しやすくなります。携帯トイレに加えて、予備の着替えを2~3セット多めに用意しておきましょう。トレーニングパンツや夜用おむつを念のため入れておくと、保護者の精神的な負担も軽くなります。
心のケアグッズ
幼児にとって災害は非常に怖い体験です。お気に入りのぬいぐるみや小さなおもちゃ、ぬり絵セットなど、心を落ち着けられるアイテムを1つか2つ入れておいてあげてください。避難所で長時間じっとしていられない年齢ですから、遊べるものがあるだけで子供も保護者もずいぶん楽になります。

【6~12歳】小学生に必要な防災グッズ
自分で持てるリュックを用意しよう
小学生になったら、自分専用の防災リュックを準備するのがおすすめです。低学年なら2kg程度、高学年なら3~4kg程度が持ち運べる重さの目安です。リュックは蛍光色や反射材がついたものを選ぶと、暗い中でも目立って安全性が高まります。
リュックの中身は子供と一緒に詰めるのがポイントです。「これは何に使うの?」「どうやって使うの?」と会話しながら準備することで、子供自身が防災グッズの使い方を理解でき、いざという時にパニックにならずに済みます。年に1回は中身を見直して、サイズアウトした衣類や期限切れの食品を入れ替えましょう。
子供だけで被災した場合の備え
小学生は登下校中や放課後の遊びなど、保護者と離れている時間があります。学校にいる時間帯であれば先生の指示に従えばよいですが、通学路や公園で地震に遭う可能性もゼロではありません。
ランドセルやカバンに入れておけるカード型の防災グッズが販売されており、ホイッスル・保護者の連絡先カード・簡易ライトなどがセットになっています。常に持ち歩けるため、いつどこで災害に遭っても最低限の備えになります。
保護者の連絡先と集合場所を書いたカードは、ランドセルの内ポケットなど目立たない場所に入れておきましょう。個人情報の取り扱いには注意が必要ですが、万が一の時に子供が大人に助けを求めやすくなります。
小学生の防災リュックに入れるもの
・水(500mlペットボトル2~3本)
・非常食(パンの缶詰、ビスケットなど)
・レインコート(防寒にも使える)
・LEDライト(手回し充電式がおすすめ)
・ホイッスル(笛)
・軍手(子供用サイズ)
・マスク
・ティッシュ・ウェットティッシュ
・着替え1セット
・保護者の連絡先カード
・お菓子(好きなもの少量)
【13~15歳】中学生に必要な防災グッズ
ほぼ大人と同じ装備が持てる
中学生の体格であれば、大人とほぼ同じ防災グッズを持ち運べます。リュックの重さは5~6kg程度を目安にしてよいでしょう。むしろこの年齢からは、防災グッズを「使う力」と「助ける力」の両方を養うことが大切です。
簡易浄水器の使い方、携帯トイレの組み立て方、応急手当の基本など、自分で使えるスキルとセットでグッズを揃えていくと、災害時に家族の助けになれる存在に成長します。地域の防災訓練に参加させるのも良い経験になります。
スマートフォンの防災活用
スマートフォンを持っている中学生も多いでしょう。モバイルバッテリーは防災リュックの必需品です。容量10,000mAh以上のモバイルバッテリーを用意しておけば、スマートフォンを2~3回フル充電できます。災害時にはスマートフォンが情報収集・安否確認・ライト代わりと大活躍しますから、バッテリー切れは避けたいところです。
あらかじめYahoo!防災速報アプリやNHKニュース・防災アプリをインストールしておくことも忘れずに。オフライン地図アプリも入れておけば、通信が途絶えた状況でも避難ルートを確認できます。

全年齢共通で必ず入れておきたいアイテム
身元確認カード
子供の名前・生年月日・血液型・アレルギー情報・保護者の連絡先・かかりつけ医の情報を記載したカードは、年齢を問わず全員の防災バッグに入れておくべきアイテムです。ラミネート加工しておくと、水濡れにも強くなります。
小さい子供の場合は、保護者とはぐれた際に自分で説明できないことがあるため、カードの存在が命綱になります。写真も一緒にラミネートしておくと、保護者の身元確認にも使えます。
子供用サイズの衛生用品
マスクやゴム手袋は大人用では子供にはブカブカです。子供用サイズのマスク、子供用の歯ブラシ、普段使っている常備薬などを忘れず入れておきましょう。肌が敏感な子供には低刺激のウェットティッシュも役立ちます。
防寒・暑さ対策
アルミブランケット(エマージェンシーシート)は軽くてコンパクトなのに保温性が高く、子供の防災バッグにも必ず入れておきたいアイテムです。夏場は冷却シートやうちわ、日焼け止めも入れておくと体調管理に役立ちます。季節ごとに中身を見直すことが大切です。
子供の防災教育も備えの一つ
防災グッズの使い方を一緒に練習する
せっかく防災グッズを揃えても、使い方がわからなければ意味がありません。ホイッスルの吹き方、LEDライトのつけ方、携帯トイレの使い方など、実際に子供と一緒に試してみましょう。年に1~2回、防災の日(9月1日)や家族の誕生日などのタイミングで実践すると習慣化しやすいです。
総務省消防庁のサイトでは子供向けの防災教材も公開されており、クイズ形式で楽しく防災知識を学べます。堅苦しくならないよう、ゲーム感覚で取り組むのがコツです。
「おかしもち」を教えておく
学校の避難訓練でも使われる「おかしもち」は、避難時の行動指針を覚えるための合言葉です。「お」さない・「か」けない・「し」ゃべらない・「も」どらない・「ち」かづかない。低学年の子供にも覚えやすく、パニック時に冷静な行動を促す効果があります。

年齢別おすすめ防災グッズの選び方まとめ
ここまで年齢別に必要な防災グッズを紹介してきましたが、最後にポイントを整理しておきます。
・0~2歳:ミルク・おむつ・抱っこひもが最優先。保護者がすべて管理する
・3~5歳:食べ慣れた非常食と心のケアグッズ。トイレ対策も忘れずに
・6~12歳:自分用の防災リュックを持たせる。中身は一緒に確認する
・13~15歳:大人と同等の装備+スマホ活用。「助ける側」の意識を育てる
子供の成長は早いです。半年に1回は防災バッグの中身を見直して、サイズアウトした衣類や期限が近い食品を入れ替えましょう。衣替えのタイミングで一緒にチェックするのが効率的です。
完璧を目指す必要はありません。まずは今の子供の年齢に合ったグッズを1つでも2つでも用意するところから始めてみてください。少しずつ揃えていけば、いつの間にかしっかりとした備えが完成しているはずです。


