非常食の備蓄というと、ご飯やパンなどの主食が中心になりがちです。しかし、実はお菓子の備蓄もとても重要だということをご存じですか?災害時の避難生活では、甘いものやおやつが心の支えになることが多く、特に子供にとっては大きな安心感につながります。
東日本大震災や熊本地震の避難所では、「お菓子があって子供が落ち着いた」「甘いものを口にしたら気持ちが少し楽になった」という声が数多く聞かれました。食事だけでなく、おやつの備蓄も防災の大切な要素なのです。
この記事では、長期保存できる非常食のお菓子の種類や選び方、備蓄のコツを詳しく紹介します。子供が喜ぶものから大人も満足できるものまで、幅広くカバーしているので、ぜひ備蓄リストに加えてください。
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なぜ非常食にお菓子が必要なのか
「お菓子なんて贅沢品では?」と思う方もいるかもしれません。しかし、災害時のお菓子には主食とは異なる重要な役割があります。
ストレス軽減効果
甘いものを食べると、脳内でセロトニンという神経伝達物質が分泌されます。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、不安やストレスを和らげる効果があります。災害時の緊張した状況では、この効果が非常に大きな意味を持ちます。
特に子供は環境の変化に敏感で、避難生活の中で不安やストレスを抱えやすいです。いつも食べているようなお菓子があるだけで、日常の感覚を取り戻し、気持ちが落ち着くことがあります。
即効性のあるエネルギー補給
お菓子に含まれる糖分は、素早くエネルギーに変換されます。災害直後の体力を消耗している場面や、低血糖になりやすい状況では、お菓子による即効性のあるエネルギー補給が役立ちます。
コミュニケーションツールとしての役割
避難所生活では、周囲の人とのコミュニケーションが重要になります。お菓子を分け合うことで会話が生まれ、人間関係が円滑になるという効果もあります。特に子供同士がお菓子を通じて仲良くなるケースは多く、避難生活のストレス軽減につながります。

長期保存できる非常食お菓子の種類
非常食として備蓄するお菓子は、長期保存ができるものを選ぶことが大切です。ここでは代表的な種類を紹介します。
ビスケット・クラッキー類
非常食用のビスケットは、5年以上保存できるものが多く、最もポピュラーな備蓄お菓子です。ブルボンの「缶入りミニクラッカー」や、ヤマザキビスケットの「ルヴァンプライム保存缶」などが有名です。
缶入りタイプは湿気を防ぐ構造になっており、開封するまでサクサクの食感が保たれます。1缶あたり400〜600kcalのエネルギーがあり、おやつとしてだけでなく食事の補助としても活用できます。
チョコレート
井村屋の「えいようかん」ほど有名ではありませんが、保存用チョコレートも存在します。通常のチョコレートは高温で溶けてしまいますが、非常食用のチョコレートは耐熱性が高められており、夏場でも溶けにくい設計になっています。
ただし、完全に溶けないわけではないので、保管場所の温度管理には注意が必要です。直射日光を避け、涼しい場所で保管しましょう。
ようかん・あんこ系
井村屋の「えいようかん」は、非常食お菓子の定番中の定番です。5年6か月の長期保存が可能で、1本171kcalとしっかりエネルギー補給ができます。あんこのやさしい甘さは老若男女問わず食べやすく、パッケージに暗闘でも見つけやすい蓄光ラインが入っているのも防災に特化した工夫です。
チョコ味のえいようかんもラインナップに加わっており、味のバリエーションも広がっています。
飴・キャンディー
飴は軽量でコンパクト、しかも長期保存が可能です。個包装タイプなら衛生的で、少しずつ食べられるため配分がしやすいのもメリットです。のど飴タイプは、災害時の乾燥した環境でのどのケアにも役立ちます。
ドライフルーツ・ナッツ類
ドライフルーツやナッツは、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で、栄養補給の観点からも優れた備蓄お菓子です。真空パックや缶入りのものであれば、1〜3年程度の保存が可能です。
ビスケット(腹持ち重視)+ようかん(エネルギー重視)+飴(携帯性重視)の3種類をベースに、家族の好みに合わせてチョコレートやドライフルーツを追加するのがバランスの良い組み合わせです。1人あたり3日分で5〜10個程度を目安にしましょう。
子供が喜ぶ非常食お菓子の選び方
子供がいるご家庭では、子供目線でのお菓子選びが特に重要です。災害時に子供が安心して食べられるお菓子を用意しておきましょう。
普段食べ慣れている味を選ぶ
災害時はただでさえ環境が激変して子供は不安になります。普段から食べ慣れている味のお菓子があると、日常の安心感を取り戻す助けになります。ビスコやカンパン、動物ビスケットなど、子供に人気のロングセラー商品の保存缶が多数販売されています。
個包装タイプを選ぶ
個包装タイプのお菓子は衛生的なだけでなく、「1つずつ食べる」という配分がしやすいメリットがあります。避難所で他の子供と分け合うときにも便利です。
アレルギーに注意する
市販のお菓子には卵・乳・小麦・ナッツ類などのアレルゲンが含まれていることが多いです。アレルギーのあるお子さんの場合は、アレルギー対応の非常食お菓子を別途用意しておく必要があります。
尾西食品の「ライスクッキー」は特定原材料等28品目不使用で、アレルギーのあるお子さんでも安心して食べられます。

大人も満足できる備蓄お菓子
備蓄お菓子というと子供向けのイメージがありますが、大人が食べておいしいと感じる商品も増えています。
コーヒーや紅茶と合うお菓子
ビスケットやクラッカーなどの焼き菓子は、インスタントコーヒーやティーバッグの紅茶と相性抜群です。災害時でも温かい飲み物と一緒にお菓子を食べる時間があると、ほっとひと息つけます。カセットコンロとお水さえあれば温かい飲み物は作れるので、コーヒーや紅茶も一緒に備蓄しておくとよいでしょう。
栄養バー・プロテインバー
カロリーメイトやソイジョイなどの栄養バーは、手軽にエネルギーと栄養を摂取できる優れた備蓄食品です。保存期間は1〜3年程度ですが、ローリングストックには最適です。
おせんべい・おかき
甘いものが苦手な方には、おせんべいやおかきがおすすめです。米菓子は日本人の口に馴染みやすく、幅広い年齢層に受け入れられます。亀田製菓の「ハイハイン」は赤ちゃん向けですが、大人向けの長期保存用せんべいも各メーカーから販売されています。
非常食お菓子の備蓄量と保管のコツ
お菓子の備蓄量は、主食の備蓄と比べて具体的な基準が定められていないため、迷う方も多いでしょう。ここでは目安となる量と、保管のコツを紹介します。
備蓄量の目安
お菓子の備蓄は「1人1日1〜2個」を目安にするとよいでしょう。3日分なら3〜6個、7日分なら7〜14個です。ようかん2〜3本、ビスケット缶1缶、飴1袋をセットにしておくと、バランスの良い備蓄になります。
保管場所のポイント
お菓子類は特にチョコレートが高温に弱いので、涼しくて暗い場所に保管するのが基本です。ようかんやビスケット缶は常温保存が可能ですが、25度以下の環境が理想的です。
ローリングストックの実践
お菓子は日常的に食べるものなので、ローリングストックが最も実践しやすいカテゴリーです。備蓄用に購入した分を日常のおやつとして消費し、食べた分だけ買い足すサイクルを作りましょう。
東京都の防災ブック「東京くらし防災」でも、おやつの備蓄について触れられています(参考:東京都防災ホームページ(www.bousai.metro.tokyo.lg.jp・サイト終了))。
チョコレートやキャラメルなどの溶けやすいお菓子は、保管場所の温度管理が重要です。また、ナッツ類は脂質が多いため、酸化して風味が落ちやすい特徴があります。保存期間が長い缶入り・真空パックタイプを選び、開封後は早めに食べきりましょう。

防災お菓子のちょっとした活用アイデア
備蓄お菓子をさらに有効に活用するためのアイデアを紹介します。普段の生活の中に取り入れることで、防災意識を高めながらお菓子を楽しめます。
防災ピクニックのおやつに
家族で公園に出かけて防災グッズをテストする「防災ピクニック」を楽しむ家庭が増えています。このとき、備蓄お菓子をおやつとして持参すれば、味のチェックと賞味期限管理が同時にできます。子供にとっても楽しいイベントになるため、防災を身近に感じるきっかけになります。
季節のイベントに合わせた入れ替え
防災の日(9月1日)やハロウィン、クリスマスなど、季節のイベントに合わせて備蓄お菓子を入れ替えると、自然なローリングストックが実現します。古い備蓄お菓子をイベントのおやつとして消費し、新しいものを買い足す流れを作りましょう。
職場の引き出しにも備蓄を
災害は自宅にいるときだけ起こるとは限りません。職場のデスクの引き出しにも、ようかんやビスケットを2〜3個入れておくと安心です。帰宅困難になった場合のエネルギー補給に役立ちます。
農林水産省でも職場での食料備蓄を推奨しています(参考:農林水産省 家庭備蓄ポータル)。


