地震や台風などの災害に備えて、大人用の防災リュックを準備している家庭は増えてきました。しかし「子供用の防災リュックはどうすればいいの?」と悩んでいる親御さんも多いのではないでしょうか。
子供の防災リュックで一番大切なのは、「子供自身が背負って逃げられること」です。大人と同じものを小さくしただけでは重すぎて背負えなかったり、中身を使いこなせなかったりします。年齢や体格に合わせて、サイズ・重さ・中身をきちんと調整してあげることが必要です。
この記事では、幼児から中学生まで年齢に合わせた防災リュックの選び方と、入れるべきアイテムを具体的に解説します。お子さんといっしょに準備すれば、防災教育にもなりますよ。
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子供用防災リュックのサイズと重さの目安
年齢別の適正サイズ
子供用防災リュックは、年齢と体格に合ったサイズを選ぶことが大前提です。大きすぎるリュックは走ったときにバランスを崩しやすく、小さすぎると必要最低限のアイテムが入りません。
・幼児(3〜5歳):容量5〜10リットル / 総重量0.5〜1kg
・小学校低学年(6〜8歳):容量10〜15リットル / 総重量1〜2kg
・小学校高学年(9〜12歳):容量15〜20リットル / 総重量2〜3kg
・中学生(13〜15歳):容量20〜30リットル / 総重量3〜5kg
重さの目安は子供の体重の5〜10%です。体重20kgの子なら1〜2kg、体重30kgの子なら1.5〜3kgまでが無理なく持てる範囲です。大人以上に「軽さ」を重視してください。重いリュックは避難時に転倒するリスクもあります。
リュック選びのチェックポイント
子供用リュックを選ぶ際に確認すべきポイントは以下の通りです。
ショルダーベルトにパッドが入っているものを選ぶと、肩が痛くなりにくく長時間背負えます。チェストストラップ(胸のベルト)付きのものなら、走ってもリュックがずれにくくなります。背面にメッシュパッドがあると蒸れにくく、特に夏場の避難で快適です。
反射材が付いているリュックは夜間の避難時に視認性が高まります。色は赤やオレンジなど目立つ色がおすすめです。子供が自分で開け閉めできるファスナーかどうかも必ず確認しましょう。幼児の場合、小さなファスナーは開けにくいことがあります。

【幼児(3〜5歳)】防災リュックの中身
自分の情報カードが最重要
幼児の防災リュックで最も大切なのは、名前・住所・保護者の連絡先・血液型・アレルギー情報を書いたカードを入れておくことです。災害時に親とはぐれた場合、このカードが子供の身元確認と安全確保に直結します。防水のカードケースに入れてリュックの外ポケットに入れておきましょう。
ホイッスル(笛)もストラップでリュックに取り付けておきます。瓦礫に閉じ込められた場合に声より遠くまで響きますし、幼児でも笛を吹くことはできます。
中身はとにかく軽く、最低限に
幼児が背負えるのは0.5〜1kgが限度です。中身は最小限に絞りましょう。
・名前カード(ラミネート加工がおすすめ)
・ホイッスル
・水500ml×1本
・小さなお菓子(ビスケットやラムネなど、食べ慣れたもの)
・ばんそうこう数枚
・小さなタオル1枚
・お気に入りの小さなぬいぐるみやおもちゃ1つ
お気に入りのおもちゃを1つ入れるのは「ぜいたく品」ではありません。災害時の恐怖や不安を少しでも和らげるための大切なアイテムです。避難所でも精神的な安定に役立ちます。ただし大きくて重いものは避け、手のひらサイズのものにしてください。
【小学校低学年(6〜8歳)】防災リュックの中身
「自分でできること」を意識した中身
小学校に入ると、ある程度は自分で行動できるようになります。リュックの中身も「自分で使えるもの」を基準に選びましょう。
・名前カード(連絡先・アレルギー情報入り)
・ホイッスル
・水500ml×2本
・栄養補助バー2〜3本+お菓子
・LEDライト(小型・軽量のもの)
・ばんそうこう+消毒綿
・マスク3枚
・タオル1枚
・レインコート(子供用)
・油性マジック(壁などにメッセージを書ける)
LEDライトは子供が操作しやすいボタン式のものがおすすめです。実際に使い方を練習させておくことも忘れずに。中身のアイテムは「これは何に使うの?」を子供と一緒に確認しておくと、いざという時に慌てずに使えます。
小学校で被災した場合の対策
小学生は学校にいる時間が長いため、学校で被災する可能性も高いです。多くの自治体や学校では、学校に置く防災グッズの備えを推進しています。内閣府の防災情報でも、学校の防災体制整備について言及されています。
自宅用のリュックとは別に、学校のロッカーに入れておく小さなポーチ(ホイッスル・ばんそうこう・名前カード・小さなライト)を準備するのも良い方法です。学校側と相談してみてください。

【小学校高学年(9〜12歳)】防災リュックの中身
大人に近い内容で自立を促す
小学校高学年になると体力もつき、判断力も備わってきます。リュックの中身も大人用に近づけて、ある程度の自立を促しましょう。
・名前カード(連絡先・集合場所のメモ入り)
・ホイッスル
・水500ml×2〜3本
・携帯食料(栄養補助バー、ようかん、フリーズドライ食品)
・LEDヘッドライト+予備電池
・救急セット(ばんそうこう、消毒液、ガーゼ)
・携帯トイレ2〜3回分
・マスク5枚+ウェットティッシュ
・タオル1枚
・アルミブランケット
・レインコート
・モバイルバッテリー(スマホを持っている場合)
・小さなノート+ペン
携帯トイレの使い方は事前に一度練習しておくことが大切です。初めて使うときに「やり方がわからない」となると、子供にとって大きなストレスになります。避難生活ではトイレ問題がメンタルに直結するため、恥ずかしがらずに練習させてあげてください。
集合場所と避難ルートのメモ
小学校高学年であれば、避難場所や家族の集合場所を書いたメモを入れておきましょう。「第一集合場所:○○公園 → 第二集合場所:○○小学校」のように優先順位をつけておくと、家族と連絡が取れない場合でも行動しやすくなります。
NTTの災害用伝言ダイヤル171の使い方を書いたメモも入れておくと安心です。毎月1日と15日に体験利用ができるので、親子で練習しておくのをおすすめします。
【中学生(13〜15歳)】防災リュックの中身
ほぼ大人と同等の装備でOK
中学生は体力も十分あり、大人とほぼ同じ内容のリュックを準備できます。ただし女子の場合は生理用品を必ず入れておきましょう。避難所では不足しがちなアイテムです。
中学生ならではの追加アイテムとして、メガネ(コンタクトレンズ使用者)、生理用品(女子)、持病の薬がある場合はお薬手帳のコピーも入れておきます。
スマートフォンを持っている中学生は多いと思いますが、スマホとモバイルバッテリーは防災リュックの重要アイテムです。安否確認・情報収集・ライト代わりと、災害時のスマホの役割は非常に大きいです。充電ケーブルも忘れずに入れましょう。

子供用防災リュックを準備するときの注意点
定期的にサイズと中身を見直す
子供は成長が早いため、半年〜1年ごとにリュックのサイズと中身を見直す必要があります。去年ぴったりだったリュックが今年はもう小さいということはよくあります。衣類(着替え)を入れている場合は、サイズが合っているか必ず確認してください。
食料の好みが変わることもあるので、食べ慣れたおやつに入れ替えるのも大切です。「災害時でも食べられる」ものでなければ意味がありません。苦手な味のクラッカーを入れておいても、いざという時に食べてくれない可能性があります。
「防災ごっこ」で予行演習する
防災リュックを準備しただけでは不十分です。実際にリュックを背負って避難経路を歩く「防災ごっこ」を定期的にやってみましょう。子供は遊び感覚で楽しめますし、リュックの重さが適切か、歩きやすいか、ファスナーを自分で開けられるかといった実用面のチェックにもなります。
避難所までの道のりを歩くことで、ブロック塀や古い建物など危険な場所を子供自身が覚えるきっかけにもなります。総務省消防庁の防災マニュアルでも、家族での避難訓練の重要性が説かれています。
リュック以外の身につける防災グッズ
リュックとは別に、子供が常に身につけておけるアイテムも用意しておくと安心です。防犯ブザー兼用のホイッスルをランドセルに付けておく、通学靴の中敷きに名前と連絡先を書いたカードを忍ばせておくなど、「リュックがなくても最低限の情報が手元にある」状態が理想です。
・重すぎないか定期的に確認(体重の5〜10%以下)
・中身を子供が使えるか実際に試す
・名前カードは防水加工して外ポケットに
・食料は子供が食べ慣れたものにする
・半年ごとにサイズ・中身を見直す
・ホイッスルはリュック外側に取り付ける


