台風は地震と違い、数日前から進路や規模を予測できる災害です。つまり、事前に十分な準備をする時間があります。にもかかわらず、毎年「もっと早く準備しておけば」という声が後を絶ちません。
台風対策で特に重要なのは「窓ガラスの飛散防止」「浸水への備え」「停電への備え」の3つです。この記事では、それぞれの対策を具体的に解説していきます。
台風シーズンが来る前に、この記事を参考にして準備を進めておきましょう。直前に慌てないための事前準備が何より大切です。近年は台風の勢力が強まる傾向にあり、これまで被害のなかった地域でも油断はできません。
窓ガラスの飛散防止対策
養生テープの貼り方は「米」の字
窓ガラスに養生テープを貼る場合、「米」の字型に貼るのが基本です。縦・横・斜め2本の合計4本で、ガラスが割れた際の飛散を抑えます。ただし、テープを貼ってもガラスが割れること自体は防げません。あくまで飛散防止の応急措置であることを理解しておきましょう。テープは窓の内側から貼ります。外側に貼ると風雨ではがれてしまう可能性があるためです。
飛散防止フィルムが最も効果的
窓ガラス用の飛散防止フィルムを事前に貼っておくのが、もっとも確実な対策です。透明で目立たず、紫外線カット効果もあるため、台風シーズン以外にもメリットがあります。ホームセンターで購入でき、DIYでの施工も可能です。貼る際は霧吹きで水をかけながら気泡を抜くのがコツです。プロに依頼すれば仕上がりも美しく、より長持ちします。
雨戸・シャッターがあれば必ず閉める
雨戸やシャッターが設置されている場合は、台風接近前に必ず閉めてください。普段使わないために動きが悪くなっていることがあるので、台風シーズン前に一度動作確認をしておきましょう。動きが悪い場合は潤滑剤をさしておくと安心です。雨戸のない窓には、段ボールを内側からガムテープで貼ることでガラスの飛散を軽減することもできます。
ベランダ・庭の飛来物対策
植木鉢、物干し竿、自転車など、風で飛ばされるものはすべて室内に取り込むのが鉄則です。「このくらいの重さなら大丈夫」と思うのは危険です。台風の強風は想像以上のものを吹き飛ばします。取り込めないものはロープで固定しましょう。エアコンの室外機もカバーを固定し、強風で倒れないか確認しておくと安心です。

浸水対策で家財を守る
ハザードマップで浸水リスクを確認
まず国土交通省ハザードマップポータルサイトで自宅の浸水想定を確認しましょう。浸水想定区域に該当する場合は、浸水深さに応じた対策が必要になります。想定浸水深が50cm以上の地域にお住まいの方は、特に入念な準備が求められます。過去の浸水実績がない地域でも、集中豪雨や内水氾濫で被害が出るケースが増えているため、一度は確認しておくことをおすすめします。
土のう・水のうの準備
土のうが手に入らない場合、ゴミ袋に水を入れた「水のう」で代用できます。45リットルのゴミ袋に半分程度の水を入れて口を縛り、段ボール箱に入れて玄関やガレージの入り口に並べます。簡易的ではありますが、浅い浸水に対してはある程度の効果が期待できます。排水口からの逆流を防ぐために、トイレや浴室の排水口にも水のうを置いておくと安心です。
家電・貴重品は高い場所に移動
浸水の可能性がある場合は、1階に置いてある家電製品や貴重品を2階以上に移動させましょう。パソコン、重要書類、アルバムなど、水に濡れると取り返しのつかないものを優先的に上階へ運んでください。コンセントを抜き、ブレーカーを落としておくことで漏電や感電のリスクも軽減できます。
停電への備え
台風時の停電は長引く可能性がある
台風による停電は、倒木や飛来物で送電線が損傷して発生します。復旧までに数日から1週間以上かかるケースも珍しくありません。2019年の台風15号では千葉県で約2週間にわたる大規模停電が発生しました。都市部であっても長期停電のリスクはゼロではないため、しっかり備えておく必要があります。
停電前にやっておくこと
冷蔵庫の温度を最強に設定し、保冷剤を冷凍庫に入れておきましょう。停電後も一定時間は庫内の温度を維持できます。スマートフォン、モバイルバッテリー、ポータブル電源はすべてフル充電にしておくのは基本中の基本です。
浴槽に水を溜めておくことも重要です。停電で給水ポンプが止まり、断水する可能性があります。溜めた水はトイレの水や生活用水に使えます。洗濯機にも水を溜めておけば、さらに生活用水の確保ができます。
停電中の食事と情報収集
カセットコンロとカセットボンベがあれば、停電中でも温かい食事をとることができます。カセットボンベは1本で約60分使えるため、3日分であれば6〜9本程度を用意しておきましょう。情報収集には電池式またはソーラー充電式の防災ラジオが頼りになります。スマートフォンは省電力モードにして、バッテリーの消耗を最小限に抑えてください。

台風接近時のタイムライン
3日前:情報収集と買い出し
気象庁の台風情報で進路予報を確認し、自宅への影響が見込まれる場合は食料品・飲料水・電池などの買い出しを済ませます。この時点で養生テープや土のうの準備もしておきましょう。ガソリンも早めに満タンにしておくことで、避難時の移動手段を確保できます。
1日前:家の周りの点検と固定
ベランダや庭の飛来物を室内に取り込み、雨戸・シャッターを閉めます。排水溝の落ち葉やゴミを掃除して、水はけを良くしておくことも重要です。浸水が想定される場合は、水のうの設置と家財の移動を行います。ご近所の高齢者や一人暮らしの方に声をかけておくのも、大切な台風対策の一つです。
当日:外出禁止・室内で待機
台風が最接近している間は、絶対に外出しないでください。「ちょっと様子を見に行く」が最も危険な行動です。消防庁の統計でも、台風時の死傷者の多くは不要不急の外出中に被災しています。窓から離れた部屋で過ごし、テレビやラジオで最新情報を確認し続けましょう。万が一窓ガラスが割れた場合に備えて、スリッパや靴を近くに置いておくのも有効な対策です。
車の台風対策
車は浸水に非常に弱く、水深30cm程度でエンジンが停止し、50cmを超えるとドアが開かなくなる可能性があります。アンダーパスや低い位置にある駐車場は浸水リスクが高いため、台風接近前に高い場所へ移動させてください。立体駐車場の上階に車を停められる場合は積極的に利用しましょう。
万が一車が水没した場合に備えて、緊急脱出用のハンマーをダッシュボードに常備しておくことも推奨されます。シートベルトカッター付きのものが便利です。車両保険の内容も確認しておき、水没被害がカバーされるか事前に把握しておくと、いざという時に慌てずに済みます。

まとめ
台風対策は「窓ガラスの飛散防止」「浸水対策」「停電対策」の3つが柱になります。地震と違って事前に準備する時間があるため、タイムラインに沿って計画的に行動することが可能です。
台風シーズン前に飛散防止フィルムの貼り付けと、停電時の備品(カセットコンロ、モバイルバッテリー、防災ラジオなど)を揃えておけば、直前に慌てることはありません。この記事をチェックリスト代わりに活用して、万全の体制で台風シーズンを迎えてください。備えがあれば、台風が来ても落ち着いて行動できます。
※2026年4月時点の情報です。

